​乳がんの治療法

乳がんは女性ホルモン(エストロゲンとプロゲストロン)に依存して起きることが多く、比較的おとなしいものから増殖が活発なものまで様々なタイプがあります。

 

乳がん治療の基本は手術です。

がんのステージ、性質など患者さんの状態に合わせて手術、放射線治療、薬物療法(化学療法やホルモン療法)などの治療法を組み合わせて行います。

 

 

手術(手術は大きく分けて以下の2つがあります)

1.乳房部分切除術

がんがある部分とその周囲のみ切除し、原則として手術後に放射線療法が併用されます。

乳房を残すことで患者さんが美容的に満足できるようにする手術です。

 

乳房部分切除術が適応されるには条件があります

①しこりの大きさが3cm程度まで(がんが大きくても薬物療法などで小さくなれば適応可)

②がんが広範囲に広がっていないこと

③がんが多発していないこと

 

2.乳房切除術

しこりの大きさが3cm以上であったり、がんが広範囲に広がっている場合、乳房全体を切除します。

 

非浸潤がんはステージ0で極めて早期のがんですが、乳管内を這うように広がっていきます。

広い範囲の乳管内に広がっている場合は乳房部分切除術が行えず、乳房全摘になることがあります。(早期のがんなのに!)

乳がんの病期(ステージ)分類:しこりの大きさや体内での広がりから乳がんを分類し、進行の程度を示す

多くのがんは5年生存率で治療成績をみますが、乳がんのうちホルモン受容体陽性タイプは5年目以降に再発することがあるため、乳がんに関しては10年生存率で観察されます。

◆乳がんの性質(サブタイプ分類

ホルモン受容体が陽性か陰性か、HER2が陽性か陰性か、Ki67値が髙いか低いか。

これらの組み合わせでがん細胞の性質が異なり、選択される薬物療法も変化します。

・ERはエストロゲン受容体、PgRはプロゲステロン受容体

・HER2は細胞の増殖に関わっている遺伝子タンパク質。HER2タンパク質が過剰に現れているがんは、そうでないものに比べて転移・再発の危険性が高い

・Ki67は細胞が分裂する時に出てくるタンパク質。高いほど細胞の増殖能力と悪性度が高い。抗がん剤が効きやすい。

 

ルミナルA型

全乳がんのうち約45%。進行が緩やかで比較的おとなしい反面、治療後何年も経ってから再発することもあります。

 

ルミナルB型(HER2陽性)

全乳がんのうち約20%。がんが増えるスピードが速いタイプ

 

ルミナルB型(HER2陰性)

全乳がんのうち約5%。がんが増えるスピードが速いタイプ

 

HER2型

全乳がんのうち約20%。増殖能力の高い危険なタイプですが、最近は新しい薬が開発され治療成績が著しく向上しています。

 

トリプルネガティブ

全乳がんのうち約10%。増殖能力の高いものが多く、さらに治療薬が限られていることから予後不良といわれています。

3年以内の再発率は高いが、3年を超えると再発率が低くなります。

若年性乳がんにトリプルネガティブタイプが多いのも特徴です

 

◆乳がんの治療費

治療内容によってことなりますが、金額の目安は以下の通りです(健康保険使用、3割負担時の金額)。

 

手術       20万~30万

放射線治療    15万~20万

抗がん剤     22万~35万

ホルモン療法   30万~60万

 

このほかに検査費用や診察料もかかり、抗がん剤を使う場合はウイッグの購入費用もかかります。